5月31日の判決文をTAINSで見ました。
株主として配当を得た、と言えるかどうかの判断が下記です。
①法人が、②その利益から、③その株主等に対し、④株主等たる地位に基づいて供与した利益は、その名目にかかわらずこれを利益の配当たる配当所得に含まれると解することができるというべきであり、商法の見地からは不適法なものもこれに該当することからすれば、上記②については、一応の損益計算に基づいて会社に生じた積極財産を原資としているといえればよく、上記④については、株主に対し、取引上の債権債務関係など他の原因がないにもかかわらず供与されたものであればこれを満たすと解するのが相当である。
会社法上の手続きを踏んでいなくても、会社のお金が株主に渡れば配当ということです。
本件第1送金の当時、原告は■■■の唯一の株主であること(上記③)が認められ、他方、前記前提事実(1)イによれば原告は本件第1送金の当時■■■の代表者ではなかったし、当時原告が■■■の役員又は使用人であったことを認めるに足りる証拠もないこと、■■■から原告に対し本件金員が支払われる根拠となる法律関係が他にあるとはいえないことからすれば、本件金員は、原告に対し、■■■の株主としての地位に基づいて支払われた(上記④)と解さざるを得ない。
株主としての地位に基づいて支払われたかどうか、という点については、消去法です。役員でも使用人でもないので、給与ではない。しかし株主であるから、それ以外の理由でお金をもらうことはありえない。という論法です。
なお、所得税基本通達24-1に下記があります。
法第24条第1項に規定する「剰余金の配当」、「利益の配当」及び「剰余金の分配」には、剰余金又は利益の処分により配当又は分配をしたものだけでなく、法人が株主等に対しその株主等である地位に基づいて供与した経済的な利益が含まれる。
また、法人税基本通達1-5-4にも似た通達があります。
法第22条第5項《資本等取引の意義》の規定により資本等取引に該当する利益又は剰余金の分配には、法人が剰余金又は利益の処分により配当又は分配をしたものだけでなく、株主等に対しその出資者たる地位に基づいて供与した一切の経済的利益を含むものとする。
グループ税制ができたとき、子会社から親会社への寄附は、この通達で配当とみなされるのだろうか、という疑念がありました。
今回の判決をあてはめると、親会社が子会社からお金をもらうということは、消去法でいけば株主としてもらっている、としか解釈できないと判断されそうです。
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