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2011年7月

2011年7月31日 (日)

所得税の修正申告ができる期間

 更正の請求ができる期間を5年とする税制改正法案は、いったん止まっています。
 これに伴って、課税側が所得税の増額更正できる期間を3年から5年に延ばす案も流れています。

 これから所得税の税務調査の時期に入ってきますので、この3年か5年の違いは大きいですね。

 ちなみに国税の徴収権は、5年で消滅することになっています(通則法72条1項)。
 しかし不正等がある場合、当初2年は時効が進行しないことになっています(通則法73条3項)。

 所得税の場合、不正等でなければ、税務調査の末に修正申告を提出するときは、通常3年分までです。これは、税務署サイドからすれば、3年分までしか更正ができないためです。

 ですが、4年前・5年前の修正申告を受け付けないわけではありません。これは、国としては、増額更正できないものの、徴収権は5年までは消滅していないため、修正申告が出されれば受け付けられます(名古屋高裁・平成19年9月12日判決)。

 先の改正案が通れば、こうした微妙な期間もなくなります。

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2011年7月25日 (月)

自己株としての譲渡・・ToSTNeT-3

 ゼンショーがToSTNeT-3を通じた、自己株式としての譲渡を行ったことによる課税について、不服審判所に申立てをする様子です。

 みなし配当として申告したところ、市場を通じた取引になることから、みなし配当とはならず、益金不算入の規定が適用されない処分をされたようです。

 東証を利用した自己株式取得ができるよう、ToSTNeT-2や3を使ったスキームが作られていました。今回のゼンショーのケースは、これを利用していることから、市場を通じた取引であると、国税側は判断したことになります。

 今回の売買の対象になっていた銘柄はカッパクリエイトです。カッパ側がどういう処理をしたのかは不明ですが。

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2011年7月24日 (日)

慰安旅行費用の給与課税

 慰安旅行を会社負担で行った場合の福利厚生費として処理するためには、3要件が国税庁から示されています。この3要件のうちのひとつである「負担額の多寡」についてだけは、きちんと提示がありません。

 これについては、どこのホームページを見ても「おおむね10万円程度」という文字が出てきます。これまでの判例なども踏まえていますが、これは次のタックスアンサーが出所です。
 ⇒http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2603.htm

 このタックスアンサーの事例では、全てのケースが、旅行費用の半額以下しか会社が負担していないパターンになっています。ですが、これは食事の支給のように、50%以上を従業員が負担することを要求しているわけではありません。食事の支給について(所基通36-38の2)の取扱いは、恒常的に発生する食事についての負担という側面を起点として考えた上で、基本的には各人が負担すべきものを、会社負担とする場合でも給与課税しない要件を定めたものです。

 一方、慰安旅行は会社行事の一貫です。これによる経済的利益を課税しない理由は、少額不追及です。ですから、基本的には、あくまで会社負担額に絞って判断すればOKと考えられます。

 昨年の裁決事例では、会社負担が20万円以上であることから課税された事案があります。5年に一度であっても、それは判断には関係ない、というのが結論です。
 ⇒http://www.kfs.go.jp/service/JP/81/08/index.html

 この中で示されている、海外旅行平均額では、会社負担が10万円を超えてはいません。旅行自体は10万円前後の費用ですが、そのうちの会社負担は6万円前後というところのようです。この状況の中で、タックスアンサーは、ある程度「少額不追及」の許容範囲を多めに見ていることになりますね。

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2011年7月23日 (土)

遺産課税方式

 自民党時代に、遺産取得者ごとの課税方式を改正案としてあげていました。結局流れましたけれども、このときに民主党が対抗馬として遺産課税方式を掲げていたのは、すでに記憶の彼方です。

 この遺産課税方式は、遺産について課税をして徴収し、残余財産を相続人が分割するイメージです。つまりは、相続税の納税義務者は被相続人というところでしょうか。

 その当時の議論はこれだけで、贈与税については触れられていなかったと思います。贈与税は相続税を補完する位置づけですから、遺産課税方式になれば、贈与税の納税義務者は贈与者となるのが理屈です。日本の税制しか知りませんと、贈与した人がさらに税金も負担するのは違和感がありますね。

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2011年7月20日 (水)

養育費と同一生計

 離婚をした後、元夫が子供を引き取った妻に対して養育費を払うことがあります。この子供の親権が妻にあるとき、扶養控除は妻でしか適用できないと考えている方も多いところです。

 元夫の扶養控除とするには、まず生計が一である必要があります。この養育費の支払いをもって生計一といえるかどうかですが、これには質疑応答が出ています。http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/05/65.htm

 基本的には、同一生計とみてよいと考えることができそうです。

 次いで、扶養控除を父でも母でも適用できるときには、どちらで行うべきか、という問題があります。これはいずれでも可ですが、お互いが扶養控除を譲らない状況になった場合についても、わざわざ規定があります。

 まずは早い者勝ち(所令219条2項1号)
 それでも勝負がつかない場合は、所得が多い者勝ち
 (所令219条2項2号)

 早い者勝ちというのは、扶養控除申告書などで自分の扶養親族であることを先立って記載して提出したものが勝つということです。実際、これに基づく裁決事例もあります(平成元年1月12日裁決)。

 ただ、母子手当への影響なども考慮する必要があるところです。

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2011年7月19日 (火)

生命保険の節税提案

 生命保険を利用した節税は、国税との「いたちごっこ」です。

 その中でも、いわゆる課税の繰延にすぎないものと、そうではないものの二種類があります。

 先日も提案を受けた際の営業トークは、

 「これは課税の繰延ではありません」
 「出口での課税を気にするものではありません」

 といった類でした。実際は、課税の繰延ではないからこそ、余計に税制面での心配が募ります。

 所得区分の違いを利用した節税策や時価の概念を利用した節税策などがあります。しかし出口のない保険節税はありません。

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2011年7月15日 (金)

問題集を解く

 税理士試験は、1科目2時間です。なので、模試も当然2時間です。総合問題集、これも2時間(だと思います)。

 2時間集中するのは結構大変です。この2時間という集中した時間を、1日に4回も5回も行う人は合格しています。とても真似できません。

 勉強しているとき、集中はしていますが、常に今の勉強の仕方に疑問を感じながら行っていました。何も考えずとにかく勉強しまくる、というのは苦手です。常に工夫を重ねて続けながら勉強をしていくというのは、しゃにむに勉強しまくることと同様に大変です。ですが、勉強に費やす時間は結果的に少なく済む(と思います)。

 勉強は受験時代で終わるわけではありません。その先まで考えると、合格後も見据えた勉強方法を早く見つけることが大切です。

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2011年7月14日 (木)

最後は、人間同士

 クライアントの方々は、業種もさることながら、その規模もさまざまです。家族経営のところもあれば、それなりに従業員を抱えて立派な事務所を構えているところもあります。

 社長たちからは、時には「先生」と呼ばれることもありますが、私たちのような資格商売をしている者の中に、資格を捨てて企業経営ができる者など、ほとんどいません。

 そのできないことをしている方たちがいらっしゃるからこそ、私たちの商売が成り立ちます。

 パソコンを使い、ネットを駆使しても、結局は人間同士の関係を大切にすることで経営が成り立つ。いくら資格があっても、同じことですね。大切なことを教えてもらいました。

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2011年7月13日 (水)

愚痴と相談

 相談は、往々にして愚痴になりがちです。
 特に人間関係のこととなると、なおさらです。

 部下が上司の愚痴を酒の肴にするのはいいにしても、
 上司が部下の愚痴を言ったらお終いです。

 相談は解決を探るための手法ですが、愚痴は自分自身の気持ちの解消のために行われます。部下の愚痴を言う上司は、自分のことを自分で解決できない人です。自分の面倒を見れない人に、他人の面倒は見れないはずです。

 だから、上司が部下の愚痴を言ったらお終まいです。

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2011年7月11日 (月)

貸家建付地

 貸家建付地としての評価について、相続の瞬間に空室になっている場合には留意すべき点があります。

 空室では借家人の権利がない状態になりますから、貸家建付地評価をする前提を失います。しかしアパートのようなケースですと、次のような場合には敷地全体を貸家建付地評価をすることが認められます。

 各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものであること。
 賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、空室の期間中、他の用途に供されていないこと。
 空室の期間が、課税時期の前後の例えば1か月程度であるなど、一時的な期間であること。
 課税時期後の賃貸が一時的なものではないこと。

 これは戸建てを貸している場合には適用されません。一時的な空室であることを理由に貸家建付地評価を認めないのは可愛そう、という意味の取り扱いではないからです。

 アパートの一部が空室であっても、店子が1人でもいれば、その人によって建物と土地が制約されることになります。また、評価にあたっての事務作業の軽減もあろうかと思います。
 よって一時的な空室であり、すぐに埋まって満室になれば、全て貸家建付地を認めてもいいよ、という通達です。逆にアパートが空っぽになっている状態に相続が発生すれば、その後すぐに店子が入っても、この通達で救われるのは難しいように思います。

 次いで、アパートの建物だけを子に贈与し、後日、親に相続が発生したときの話です。土地の評価は、貸家建付地評価できますが、これは店子が贈与~相続までの間に入れ替わっていないことが前提です。さて、これについて、アパートの一部の店子の入れ替わりがあった場合はどうするのでしょうか。
 先の空室の場合に認める通達の趣旨を、このケースにも当てはめて考えていいように思います。つまり、全ての店子が入れ替わってしまっては、どうしようもないということです。

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2011年7月 6日 (水)

消費税:対価の返還

 売掛金を振り込んでもらうとき、手数料を差し引かれてしまう、ということがあります。

 これを仕訳で

 預金    9,580    売掛金    10,000
 雑費      420

 としているケースと

 預金    9,580   売掛金    10,000
 売上値引   420

 としているケースがあります。課税所得に影響はなさそうですが、消費税の算定で違いが出てくることがあります。

 雑費として処理をして仕入税額控除を使うのが前者、売上値引として処理をして売上対価の返還を使うのが後者です。消費税の処理としては、帳簿等を整備・保存していれば、いずれの方法も認められます。

 そして、売上対価の返還として処理をしたほうが、課税売上が減ります(消法9条2項)。

 小規模事業者か否かの判定に影響が出ますし、簡易課税の場合には税額負担にも影響が出ます。

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2011年7月 1日 (金)

路線価のアップ

 路線価がアップされています。http://www.rosenka.nta.go.jp/

 今年の相続や贈与の件を、いったん昨年の路線価で計算し、今日を待って更新しようということも多いことと思います。

 ただ路線価だけが変わっているわけではないことに注意が必要です。

 例えば、愛知県の場合、市街地農地等の宅地造成費の単価は昨年と変わっています。

 土盛費  3,900円 ⇒  3,800円
 土止費 39,700円 ⇒ 38,800円

 傾斜地の造成費も少し減っています。
 先んじて進めているところほど、ミスに注意です。

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心の中での出来事

 聖書の中で次のような一節(次のような訳)があります。

 みだらな思いで他人の妻を見る者は誰でも、
 既に心の中でその女を犯したのである。

 内容うんぬんの是非はあるでしょうけれども、私が面白いと思うのは、心の中で思っても行動に移していなければOKということではない、というところです。心で思うことが、最終的には、行動につながってしまうということに対する警笛と考えれば、すんなり理解できます。

 東洋でも、知行合一というのがあります。これは、知っていても行動に移せていなければ、知っていないも同然、みたいな意味に訳されているようです。しかし、これを逆に読めば、思ったことがそのまま行動に出てしまうので、心を放置していてはきちんと行動できるようにはなれないよ、という意味にもとれます。

 結果や行動だけをどうにかしようとしても、中身がなおざりでは、いつかメッキがはげます。

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モクモクファームの所得隠しニュース

 伊賀の里モクモクファームの所得隠しがニュースとして報道されています。
 http://www.iga-younet.co.jp/news1/2011/06/post-1128.html

 過去の記録に基づいて利益率を設定していた?
 グループ法人内は仕入値で売買していた?

 文字通りには信じられない話です。

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